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Q26 健康保険証や入館証など会社から借用していたものはどうすれがいいのか?

「いよいよ退職の日が近づいてきた。会社に挨拶をして、私物を整理して…」

退職の手続きは何かと煩雑なものですが、忘れてはならないのが、会社から借りていたものの返却です。健康保険証、入館証、社員証、社用携帯、PC、制服、ロッカーの鍵など、会社から貸与されていた物品は多岐にわたります。これらの返却を怠ると、思わぬトラブルに発展する可能性もあります。

特に、健康保険証は退職後の医療保険の手続きに大きく関わるため、その取り扱いには細心の注意が必要です。また、入館証や社員証は、退職後の不正利用を防ぐためにも、速やかに返却しなければなりません。

この記事では、退職時に会社から借りていたものの適切な返却方法、返却を怠った場合のリスク、そしてスムーズな返却のために事前に確認しておくべきことについて詳しく解説していきます。もしあなたが今、退職を控えているなら、この記事を最後まで読んで、返却漏れがないようにしっかりと準備しましょう。

目次

退職時の必須!会社からの借用品、返却の基本ルール

退職する際には、会社から借りていたものを全て返却するのが基本ルールです。これは、会社が所有する物品を従業員が業務遂行のために一時的に使用しているという性質によるものです。退職によってその使用目的がなくなるため、会社に返還する義務が生じます。

返却すべきものの種類は、業種や職種、会社の規模によって異なりますが、一般的には以下のようなものが挙げられます。

  • 身分証明書関連: 健康保険証、入館証、社員証、IDカード
  • 業務関連: 社用携帯電話、ノートPC、タブレット、業務で使用していた書類やデータ、USBメモリ、会社のロゴ入り文具
  • 設備・備品関連: 制服、作業着、ヘルメット、安全靴、ロッカーやデスクの鍵、社用車、駐車場利用許可証
  • その他: 研修資料、業務マニュアル、会社が費用負担した資格取得に関する書類

これらの物品は、退職日当日、または会社が指定する期日までに、担当部署(人事部や総務部など)に返却するのが一般的です。返却方法についても、会社から指示がある場合は、その指示に従うようにしましょう。

健康保険証は最重要!返却時期と退職後の手続き

会社から借りていたものの中でも、特に重要なのが健康保険証です。健康保険証は、医療機関を受診する際に必要な身分証明書であり、退職後の医療保険の手続きに大きく関わります。

健康保険証の返却時期:

健康保険証は、退職日の翌日から使用できなくなるため、原則として退職日当日に会社に返却する必要があります。会社によっては、事前に返却を求められる場合や、最終給与の支払い時に回収される場合もありますので、人事担当者の指示に従ってください。

退職後の医療保険の手続き:

会社を退職すると、加入していた健康保険の資格を喪失します。そのため、退職後は速やかにご自身でいずれかの医療保険に加入する手続きを行う必要があります。主な選択肢は以下の3つです。

  • 国民健康保険: お住まいの市区町村の国民健康保険に加入する手続きを行います。
  • 任意継続被保険者制度: 一定の条件を満たせば、退職前の健康保険に最長2年間継続して加入できる制度です。
  • 家族の健康保険の被扶養者: 家族が加入している健康保険の被扶養者となることができる場合があります(収入などの条件があります)。

これらの手続きは、退職後すみやかに行う必要があります。健康保険証を返却する際に、会社から必要な書類(資格喪失証明書など)を受け取り、各手続きを進めましょう。

入館証・社員証、意外と重要!返却方法と注意点

入館証社員証は、会社のセキュリティ管理や従業員管理のために発行されているものです。退職後もこれらのカードを所持していると、不正に会社に立ち入ったり、従業員と偽ってサービスを受けたりする悪用リスクがあります。

返却方法と注意点:

入館証や社員証は、原則として退職日当日に、人事部や総務部などの担当部署に返却します。返却時には、紛失や不正利用を防ぐために、担当者の目の前で裁断無効化の処理が行われることがあります。

もし、退職日当日に返却できない場合は、事前に会社に連絡し、返却方法について指示を仰ぎましょう。郵送で返却する場合は、追跡可能な方法で送付し、送付した旨を会社に連絡することをおすすめします。

また、社員証にICカード機能が付いている場合、個人情報や電子マネーなどが記録されている可能性もあります。返却前に、これらの情報を消去する必要があるかどうかも会社に確認しておきましょう。

その他、会社から借りているものリストと返却手順

健康保険証や入館証・社員証以外にも、会社から様々なものを借りている可能性があります。退職前に、自分が何を借りているのかをリストアップし、計画的に返却の手続きを進めましょう。

返却手順の例:

  1. 借用品のリストアップ: 自分が会社から借りているものを全てリストアップします(例:社用携帯、PC、制服、鍵など)。
  2. 返却先の確認: 各借用品の返却先となる部署や担当者を確認します(例:社用携帯は情報システム部、制服は総務部など)。
  3. 返却期日の確認: 会社が指定する返却期日を確認します(通常は退職日当日ですが、ものによっては事前に返却を求められる場合があります)。
  4. 返却方法の確認: 返却方法について会社の指示があるか確認します(手渡し、郵送など)。
  5. 返却時の確認: 返却時には、担当者に受領のサインや記録をしてもらうなど、返却した証拠を残しておくと、後々のトラブル防止になります。

特に、PCや社用携帯などの情報機器には、会社の機密情報や個人情報が含まれている可能性があります。返却前に、会社が定める手順に従って、これらの情報を適切に消去することが重要です。

制服や作業着などは、クリーニングが必要かどうかを会社に確認し、指示に従いましょう。鍵を返却する際には、全ての鍵が揃っているかを確認し、紛失している場合は速やかに会社に報告する必要があります。

返却を怠るとどうなる?会社側の対応と法的リスク

会社からの借用品の返却を怠ると、以下のようなトラブルに発展する可能性があります。

  • 会社からの連絡・督促: 会社から電話やメールなどで、返却を求める連絡がきます。
  • 最終給与からの相殺: 会社によっては、返却されない物品の相当額を最終給与から差し引く措置を取る場合があります(ただし、事前に合意がない場合は違法となる可能性もあります)。
  • 損害賠償請求: 借用品を紛失・破損させた場合や、返却を長期間怠ったことで会社に損害が発生した場合、損害賠償を請求される可能性があります。
  • 法的措置: 返却に応じない場合、会社が法的措置(返還請求訴訟など)を講じる可能性も否定できません。
  • 退職後の関係悪化: 返却を怠ることで、会社との関係が悪化し、退職後の連絡や手続きに支障が出る可能性があります。

特に、健康保険証の返却が遅れると、退職後の医療保険の手続きが滞り、医療費が全額自己負担になるなどの不利益を被る可能性があります。

会社からの借用品は、退職日までにきちんと返却することが、社会人としての基本的なマナーであり、将来的なトラブルを避けるためにも非常に重要です。

スムーズな返却のために!退職前に確認すべきこと

退職日に慌てることなく、スムーズに借用品を返却するためには、事前に以下の点を確認しておくことをおすすめします。

  • 返却リストの作成: 自分が何を借りているのか、リストを作成しておきましょう。
  • 返却先の確認: 各借用品の返却先となる部署と担当者を確認しておきましょう。
  • 返却方法の確認: 手渡しなのか、郵送なのかなど、返却方法について会社の指示を確認しておきましょう。
  • 返却期日の確認: 退職日当日で良いのか、事前に返却する必要があるのかなど、返却期日を確認しておきましょう。
  • 不明な点の質問: 借用品の扱いや返却方法について不明な点があれば、遠慮せずに人事担当者や総務担当者に質問しましょう。

これらの準備を事前にしっかりと行うことで、退職当日の手続きがスムーズに進み、返却漏れを防ぐことができます。

もし返却し忘れたら?速やかな対応がトラブル回避の鍵

万が一、退職時に会社からの借用品を返却し忘れてしまった場合は、速やかに会社に連絡し、指示を仰ぐことが重要です。

放置してしまうと、会社からの督促を受けたり、最悪の場合は法的措置に発展する可能性もあります。まずは、正直に返却し忘れたことを会社に伝え、どのように対応すべきか指示を仰ぎましょう。

郵送で返却する場合は、追跡可能な方法で送付し、送付した旨を会社に連絡します。直接持参する場合は、事前に会社に連絡し、訪問日時を調整しましょう。

速やかに対応することで、会社との不信感を最小限に抑え、トラブルの拡大を防ぐことができます。

まとめ

今回の記事では、退職時に会社から借りていた健康保険証や入館証などの返却について、基本的なルールから具体的な手順、注意点、そして返却を怠った場合のリスクまで詳しく解説しました。退職は新たなスタートを切るための大切な節目です。会社との間で最後まで良好な関係を保ち、スムーズに退職手続きを完了させるために、借用品の返却は確実に行いましょう。

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